コンテンツという役者を演出する監督とは

 

 

 

「スズメバチは本当に害虫なのか。もしかしてコンテンツも。」

 

コンテンツを作っていて、コンテンツそのものがその良し悪しを決めることは当たり前のことなのですが、実はコンテキストによってコンテンツは全く別物になる可能性があります。

コンテンツが文章だとしたらコンテキストは文脈です。コンテキストがコンテンツを演出できることは知っていて損はないでしょう。

 

 スズメバチはほとんどの人が害虫だと思っています。毒針で攻撃してきて、時には人を死に至らせることもあります。家屋に入り込んだりした日には間違いなく害虫でしょう。
しかし、それは人間にとってのお話です。一匹にスズメバチはワンシーズンでハエやアブを何百万匹食べてくれます。また、花粉を媒介し植物の受粉を助けます。害虫被害に悩む農家救い、私たちに作物を恵むのを助けてくれます。
コンテキスト次第では、スズメバチを益虫と考えることもできるのです。

 

 

私たちはコンテンツだけではなくコンテキストも求めている

 

 

コンテンツはコンテキストにより全然違うものになるということはスズメバチの話の通りです。
スズメバチのように誰しもが害虫と思っている昆虫も、場面や環境によってはありがたい存在になるのです。
人にとって価値のないと思われていて、寧ろ忌み嫌われるものでも、演出次第では良いものに化けることがあります。それが元々良いものだとしたら演出次第でより価値のあるものになることも十分にありえるのです。

 

日本は恵まれたことに水道の蛇口をひねれば水が出てきます。
家で水を飲むとき、水道代を気にしながら飲む人はあまりいないと思います。日本人にとって誰しもが手に入れられる潤沢な資源です。
しかし、蛇口をひねれば飲める水を、あなたもわざわざ自動販売機やコンビニで買ったことはあるのではないでしょうか?例え外でも公園や駅などの公共施設には水飲み場やウォータークーラーなどがあるのにも関わらずです。

 

なぜ、わざわざお金を払い水を買うという体験をする人が多いのか考察すると、人は商品だけでなく付随する体験も含めて買っているということが分かります。
例えば、「い・ろ・は・す」というミネラルウォーターがペットボトルで販売されています。販売元は日本コカ・コーラ株式会社、あのコカ・コーラです。私はコカ・コーラは大好きですが、お世辞にも身体に良いとは思っていません。
その日本コカ・コーラが販売する水だともし知っていたとなると、飲むのになんだか抵抗があったと思います。私は最初はどこの会社が販売しているかは知らなかったので知ったときは驚きました。

 

同社はとてつもないブランド力を持っています。
しかし、ブランドをあえてアピールせずに「い・ろ・は・す」を世に打ち出しました。同社が「い・ろ・は・す」を販売し始めたのは2009年のことです。当時ミネラルウォーター市場は飽和していて市場全体の売り上げは伸び悩んでいました。
そこで同社がミネラルウォーター市場に参入する時に掲げたコンセプトがエコでした。

 

「い・ろ・は・す」は軽量ボトルを採用していて、従来製品に比べ樹脂使用量を約40%を削減したそうです。
またなんといってもその最大の特徴は、ひねりつぶせるボトルそのものです。回収時の容積を減らすことでエコに貢献しています。

そしてくしゃくしゃにひねりつぶせるという体験を消費者に与えました。エコになり、かつてない体験ができる。そんなコンセプトに惹かれた消費者にヒットし、今ではコンビニやスーパーで「い・ろ・は・す」を見かけない日はなくなりました。

 

他社と同じようなミネラルウォーターを、参入の余地がないと思われていたタイミングで売り出した同社は大成功を収めました。
このことから人は商品サービスだけでなくそれに付随する体験、つまりコンテキストにて演出されているコンテンツに強い魅力を感じることが分かります。
何かコンテンツを作るなら、そのコンテンツを最大限演出してくれるコンテキストも併行して考えてみると良いかも知れません。

 

 

コンテキストは体験により生まれる

 

日本コカ・コーラのようにコンテキストによって大成功を収めたマーケティングをあなたが再現するとしたら、周りを巻き込んであなたのコンテンツに参加させて、体験をさせることです。
日本コカ・コーラは商品そのものにコンテキストを利用しましたが、オンラインコンテンツをコンテキストで演出することも可能です。株式会社カカクコムが運営しているグルメサイト、食べログではお店を利用したお客さんの評価によってお店がランク付けされています。
お客さんがあるお店で食事をした体験、また、食べログに評価を書き込んだ体験によってコンテンツを集合体であるサイトが演出されています。

 

ユーザーの体験と参加によって、食べログのコンテンツはより価値のあるものとなっています。
寧ろコンテキストがなければ今の食べログはないでしょう。ただのお店の営業時間や地図などの店舗情報を記載してあるだけのサイトになってしまいます。
お店自体は何も変わらずに営業しているのに、お客さんの評価というコンテキストで演出されることで、そのお店は化けることもあるのです。その逆もまた然りなのが悲しいところですが。

 

私たちが体験をいかに重要視しているかが分かるとある例をご紹介します。
この言葉はレオ・マックギブナ氏(*1)の言葉をレビット博士(*2)が自身の著書で引用したことで世界的に広まったものです。
それは「ドリルを買う人が欲しいのはドリルではなく”穴”である。」というものです。これは、人が何かを求めるのは何かそのものでなく、その何かによってもたらされる結果や体験を求めているからということの核心を突いた格言です。同じドリルを売るにしても買い手のコンテキストは様々です。

 

・ドアの建て付けが悪いから直したい。⇒リフォームを検討しているかもしれない。他の建具や設備についての悩みがないか聞いてみよう。

・テラスで皆でワインを飲む為にもう1つ椅子があればいい。⇒ワインを収納する棚も必要としてるかもしれない。

・子供とコミュニケーションをとる為に一緒にDIYをしたくてホームセンターへ。⇒子供と一緒にキャッチボールをすることもコミュニケーションになるから野球道具も勧めてみよう。

 

など同じドリルを求めている人でもドリルが置かれているコンテキストは様々です。
あなたのコンテンツを最大限に演出するものはどのようなものでしょうか。見込み客や顧客を巻き込んで、コンテンツだけでなくコンテキストについても考えてみるとコンテンツは化けるかも知れません。参考にしてもらえれば幸いです。

 

*1・・・とても有名な格言を生み出した人物ですがその全貌はいまだに明らかにはなっていないようです。

*2・・・ハーバード大学大学院の教授でアメリカのマーケティングの先生と呼ばれる一人。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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