ペルソナを深掘りするためのインタビュー方法とは
ペルソナの分析にはインタビューが即効く
成果が出るサイト運営の共通特長というのは何でしょうか。それは「誰に」というターゲットユーザーを明らかにしてそのユーザーを満足させているということです。そして、それは最初から分かっているわけではありません。どんなサイトでも常に仮説と検証を繰り返しながら運営しているということです。
私達もそれは同じです。ベーシックが運営するサイトのphocaseもサイト立ち上げ当初からターゲットが明確でパフォーマンスが順調だった訳ではありません。立ち上げ時期にペルソナを設計してみたものの、ターゲットユーザーを広げすぎていて誰にとっても当たり障りのないサイトとなっていたのです。
そこで一度、ユーザーインタビューを実施し、改めてペルソナを深掘りしたのです。実際に30名ほどのサービス利用ユーザーを集めて座談会を開き、インタビューを行いました。そこからサイトのコンテンツやトーンを変更したことで成果を上げることができました。ユーザー視点を持ちながら、サイト運営をするということはとても難しいことです。
定期的なタイミングでユーザー視点に立ち戻るようにしましょう。このガイドではペルソナユーザーの深掘りの仕方と手順について説明します。
サイトについての検証をしよう
成果を出しているサイトは「誰」にを見て欲しいのかを考えて、もしズレていたら即修正して効果測定してみるという流れで行っています。
まずはサイトの目的を改めて確認しましょう。
・潜在ユーザーに情報提供をして自社の認知度を上げたい
・顕在ユーザーに自社サービスの利用を促したい
大きく分けると上記の2つに集約されると思います。
目的に応じたペルソナに近い属性のユーザー3〜10人程度を対象に繰り返し検証できると良いでしょう。インタビューをする際には複数回に分けて行い、基本的には1回に1テーマにすると良いでしょう。
例えば1回目はサイトのコンセプトについて、2回目はレイアウトや導線についてとう風に分けることによってサイトの中の課題を絞り込みやすくなります。1回の調査にあれもこれもといった形で盛り込み過ぎてしまうと何を調べるべきか、何を検証すべきかがぶれやすくなってしまいます。
ユーザー行動調査のプロセス
ペルソナユーザーもしくは近いユーザーと接触する機会があったら、やみくもにサイトの感想を聞くのではなく、調査の目的を説明し、どこで行動を確認するかといったプロセスを確認するようにしましょう。
「どこをどう改善したら良いと思う?」といった質問は日頃そのサイトを隅から隅まで見ているユーザーであれば答えられるかもしれませんが、何となくサイトを見ていたり、調べ物をしているユーザーにとって回答するのは難しいかもしれません。
特に潜在ユーザーをターゲットとして、メディアで情報発信するようなケースではユーザーは「自分の本当のニーズを言語化できていない」場合がほとんどです。そうした場合にはどうすれば良いのでしょうか。
インタビューするというのも一つの選択肢ではありますが、そのユーザーに実際にサイトを見てもらいその行動を観察するということの方が確実です。
注意点
・一般ユーザーは勝手を知らないため必要以上の説明をしないようにしましょう。
・行動の背景を捉えましょう。ユーザーの意見は参考程度にまとめましょう。
(なぜならユーザーの意見は必ずしも正しいとは限らないからです。)
・問題の原因は前後の文脈から分析するようにしましょう。
1:目的の共有
ペルソナユーザーに対して調査の目的をシンプルに伝えましょう。目的を伝えないとユーザー自身からも的を得た回答が得られない可能性があります。
2:Webとの関わりを把握する質問
次に自社サービスの内容をいきなり伝えるのではなく、ペルソナがWebとどのような接点を持っているのかを確認しましょう。この段階では「Webの利用頻度」や「どこでどのくらいWebを利用しているか」「どんなサイトをよく見るか」をヒアリングします。
「仕事では平日3〜4時間使って調べ物をしており、仕事以外では通勤時間中や家でスマホを見ています。仕事で良く見るサイトは☓☓で、スマホで見るサイトは☓☓です。」というような回答が得られれば良いでしょう。
3:Webとの関わりから検証すべきテーマへと近づく
自社のサイトのテーマに近づけるように質問します。仕事で調べるものがある時は、どうやって調べるのか、実際に購入や決済したことがあるかを聞いていきます。
例えばペルソナの課題が「SEO対策の手法を知りたい」という場合、まず「勤務時間中」に「PC」で、検索エンジンを使って「SEO対策」と調べることが想像できますよね。その検索の段階からどういったキーワードで検索するのかも含めて実際の状況をを聞きましょう。
4:実作業
実際にまず検索エンジンやSNSなどのチャネルからペルソナが知りたいことを調べてもらいます。「では仕事で実際にSEO対策の手法について調べる場面を想定して実際に調べてみてください。」などと言って行動を促します。
5:作業完了とレビュー
目標とするぺージまでたどり着いたら、振り返りをしてみましょう。「検索からこのカテゴリページにたどり着いたときに、なぜこのコンテンツをクリックしたのですか?」など、ユーザーが取った行動についてヒアリングをしていきましょう。
実際のユーザー行動を見ることと、それに合わせたインタビューを行うことがポイントです。
このインタビューをよって、自分たちが良かれと思って設置していた導線が全く効果が無かった、想定していた行動と全く違う動きをした、そもそもチャネルが違ったなどと自分たちが考えた仮説と大きく違うということを「発見する」、それが肝です。なぜならば、自分たちが想定していなかった動きをされた場合でも、それは大きな「改善ポイント」となる可能性があるからです。
ペルソナをアップデートし改善策を実行しよう
インタビューのデータがまとまったら最初に立てたペルソナをアップデートしましょう。アップデートができたら、新たにペルソナに向けた改善策を決めます。その時のポイントは改善がしやすいものとすぐに改善がしづらいものと分けることです。
例えば改善策においてはすぐに実施できるものは「導線の見直し」です。インタビュー中に気付かれなかったボタンやリンクがある場合にはまず改修候補に上げます。
全体に手を入れなければならないものも出てくる可能性があるでしょう。課題をまとめておいて、カスタマージャーニーマップを作成します。カスタマージャーニーマップとはサイトとユーザーとの接点や課題、ニーズをまとめてサイトに来たユーザーに対して「どのような体験をしてもらいたいか」を整理することです。
まとめ
ユーザーインタビュー実施のポイントは客観的な情報を得ることです。サイト運営においてコンテンツを作ったら、作りっぱなしになってしまうケースや見られているかどうかを検証しないケースがありますが、成果を上げるためにはユーザー目線に立つことが求められます。手間がかかる部分ではありますが、時間をかける価値はあります。